廃墟、秋風、追憶

廃墟、風景

虎ノ門・麻布台地区再開発  「消滅前に」その1

或る日ネットサーフィンをしていたところ、虎ノ門・西麻布が再開発されるので見に行ったという内容の記事を見つけた。記事内では戦後から高度経済成長期に建てられたであろう建築物の数々の写真や計画の進行具合等が記載されていた。

「懐かしの街並みがまたなくなる。」と残念な気持ちになった反面、時代の脱皮に立ち会えることをとても嬉しく思っている。その過程を形として残したい。未来の誰かがこの記事を見て「へぇ、ここら辺ってこんなとこだったんだ」なんて思ってくれる事を期待して。

記録に移る前にこの街の歴史について記述する。

ここ六本木(麻布区)は武家地であったが時代が進むにつれ軍事施設が多く置かれ「兵隊の町」とも呼ばれていた。戦後は発展の一途を辿り現在では「高級な街」という印象だ。

非常にざっくりとした説明で申し訳ないのだが、正直私の少ない知識よりも他サイト様を閲覧されたほうが理解が深まると思った次第なのでどうか許してほしい。

 

今回(その1)の探索ルートである。

 

2019年2月18日午後14時頃、神谷町駅現着

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写真1

神谷町駅2番出口を出て国道1号線を南に少し歩くと右手に再開発エリア(写真左)が見えてくる。写真奥に聳えるのはアークヒルズ仙石山森タワー。

 

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 写真1の左右に佇むビルを別角度から。恐らく半世紀は立っているのではないでしょうか。写真左の建物は写真右の建物より古いと思われる。

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階段に座りBOSSを嗜みたくなる

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                 写真3

写真1地点の坂を少しばかり上ると左手に見えてくる2階建ての家屋。目の前の家は屋根がトタンだ。奥に見える黒い物体は霊友会釈迦殿の屋根。

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目の前の高層ビルヂングは写真1で出てきたアークヒルズ仙石山森タワー

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先ほどの写真の地点から振り返る。正面に見えるのは愛宕グリーンヒルズ

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空き家。再開発と関係がある可能性が高い。

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恐ろしいほどの新旧対比...半世紀以上年の差のある建物が隣同士に建っている…もし空襲がなければ今の日本はこのような光景が日常的だったかもしれない(妄想)

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先ほどから気になっていたのだが再開発予定区画の各家々にはこんな張り紙が張られている。これは「工事のお知らせ」なのだがその中に「石綿除去等」との記載がある。

つまり石綿等の有無欄、「有」に丸が付いている建築物は1955年頃~2004年頃の建造だと推測できる。この張り紙の「使用されている石綿等」欄に記載されている石綿は「石綿含有形成版」で、この建材は1955年頃~2004年まで製造されていたからだ。

石綿を使用した建材製品は1955年頃から使われ始め、1975年~2008年にかけて大幅に規制され2012年には全廃。だが1955年以前から各国では石綿による健康被害が問題になっていた。

その2へ続く